その先に見えるもの

いつからこんな厭らしい人間になってしまったんだろう
そう思ってしまう
自分はこんな人間じゃなかった
ユウヤさんを好きになって変わってしまった

傍にいたい、
見つめられたい、
触れられたい、
愛されたい、

そんな止め処ない願いだけが生まれては消えていく

だって、かなう事が無いものだから
ユウヤさんは別に自分が好きな訳じゃない
だけど、これだけは叶えて貰える

虐めてほしい

ただ、気まぐれで抱かれるだけでどんなに嬉しい事か
例え、八つ当たりだとしても、その時ユウヤさんの瞳に自分だけしか映らない
それだけの事がどれだけ幸せな事かなんてきっと自分だけしか解らないこと

ユウヤさんが怒る理由はよく解らない
今もこうしていきなり腕を掴まれてそしてベッドに連れて行かれる

「…ユウヤさん」

名前を呼べば、ユウヤさんはベッドに座りこんで何か怒った顔をして僕を見つめていた
「ヒロ君」
怒っている
八つ当たりされるかもしれない
でも、それでもいい
その怒りが自分に向けられるのが嬉しい
自分を見て貰えるのが嬉しい
「服、脱いで」
そう言われて、一瞬恥ずかしいと思うものの、
ここでユウヤさんに興味を無くされる方がずっと嫌だった
「……はい」
ゆっくりとユウヤさんの目の前に立って服を脱いでいく
恥ずかしいし、正直こんなことしたくない
そもそも、自分の体なんて余り綺麗なものではないし、見たって楽しいものじゃない
それでもユウヤさんがしろというなら叶えたい
手が震えてるのが解る
なかなか震えてボタンが脱げない
それでもなんとか一枚一枚服を脱いでいく
「…」
最後のパンツになったところでじっとユウヤの目線がそこに集まるのが解る
どうしたらいいのかな…と思うが、
ユウヤの顔をみると、脱がないと許して貰えないらしい
なら、いっそ恥ずかしがるよりは…と思い一気にパンツを下に下げる
「…おいで」
すると、ユウヤは許してくれたのか、ヒロにそう言ってくれる
そう言ってユウヤさんに言われて裸のままユウヤさんの膝に乗る
そして
「ん…んん…っ」
そのまま噛みつかれるようにキスされた
「…ん…あぁ…」
息が出来なくて頭の中が真っ白になる
それでもユウヤさんは頭を離してくれない
「…っ!!」
そのまま胸が引っ掻かれて、そのまま強く握られる
正直痛い
でも、ユウヤさんがそうしたいならそれでいい

むしろ、今日はどんな風に虐められるのかと思うとそれだけでドキドキする

ゆっくりとユウヤの顔が離れると
そのままベッドに押し倒される
そして―――
「あ…」
ユウヤさんに僕の手首を上に上げて、そのまま縛られた
そして、おもいきり股を開かされて何から何まで上から下まで隅々が暴かれた
「…うっ…」
「もう勃ってるね」
「…ユウヤさん…」
「でも駄目だよ、すぐに逝ったら」
持っていた紐で僕の男根を縛る
「…っ」
さすがにそれには驚いたけど、抵抗したら、ユウヤさんに嫌われちゃうんじゃないかと思って必死に耐える
大丈夫…大丈夫
そう自分に言い聞かせる
「…っ」
そう思っていると、
「あ…」
「…ん」
ユウヤさんの舌が僕の蕾をぺろぺろと舐めているのが解った
「ユウヤさん…そんなところ汚い…」
そういつも言うけれど、ユウヤさんはけして許してくれない
それどころか、否定する言葉を言うと、皴一つ一つを丁寧になめとっていく
その行為だけで震えてしまう自分が恥ずかしい



「…ねぇ、ヒロ君」
「…」
「どうしてほしい?」

そして、ユウヤさんは何時もそう言う
そんなの答えは一つなのに

「…僕は…」
「…」
「ユウヤさんのしたいようにしてくれていいです」

本当は違う
もしも、たった一つだけかなうのなら―――

貴方に心から愛されたい
虐められていたぶられて、
それでも、
その先にあるのが

愛であると思いこむのは自由でしょうか…?