永遠に君を愛す

  「おかえりなさい、ユウヤさん」
「ただいま……って、え?」
 扉を開いて、中へと入るといつもどおり可愛らしい恋人が自分を出迎えてくれた。それは別にいい。問題はそうではなく―――
「……ヒロ、君?」
「……」
 耳まで真っ赤にして恥ずかしそうにしているヒロは何故か白いフリルのエプロンを着ている。
それだけならばけして驚くことはなかっただろう。
問題はその下が裸であるということだった。
つまり―――新婚の定番である裸エプロンをヒロはしていたのだった。
「……あ、あの……」
「……」
「ご飯にします?それともお風呂にします、そ、そそ、それとも……」
「……」
「ぼ、ぼく?」
 今にも泣きそうな瞳でユウヤに訴えかけるかのように上目づかいでそう口にするヒロ。
その姿が余りにも可愛らしくて、ユウヤは思考回路がショート寸前だった。
「……」
「や、やっぱり、変ですよね、ぼ、僕着替えてきます!」
 だが、そんなユウヤの気持ちなど解るはずがなく、ヒロは恥ずかしさと情けさの余り、着替えてこようと踵を返す。
だが―――
「わっ!」
 その前にユウヤに確保され、そのままヒロは横抱き――つまりはお姫様だっこされてベッドへと連れて行かれる。
「ゆ、ユウヤさん……?ひゃっ!」
 そして、そのまま口づけてヒロの口内に舌を侵入させる。
その舌におずおずとヒロも自分の舌を絡ませて、懸命に動かし、必死で離そうとしないように動かす。
その姿にユウヤはますます愛しさを感じた。
「ヒロ君……」
「ゆ、ユウヤさん……」
「結婚しよう、今すぐしよう!」
「ふぇ?」
 そこまで言って、ユウヤは前、カズヤに見せて貰った時に裸エプロンというものが新婚の定番だと教えられた事を思い出す。
つまり、目の前のヒロは新妻スタイルという事だとすぐに結論づける。
 そこまで考えて、ユウヤはもしかして自分が記憶障害を起こしているだけで、実はヒロとすでに結婚していたのかもしれないと考える。
だとすると、何でそんな大事なことを忘れてしまったのだろうと不思議に思う。
ヒロと出会って数年、ユウヤはヒロとの約束と思い出だけは忘れないと自負してきたつもりだったのに、
どうやら一番大事なことを忘れるだなんて、自分は!などと忙しく思考が動いていた。
「……ゆ、ユウヤさん……その……」
「ごめん、ヒロ君。変なこと言ったね……僕たち実は結婚してたんだね」
「え?いえ、まだしてないと思いますけど……」
「え?じゃあ、なんで裸エプロンしてるの?これって結婚しないとしちゃいけないものなんだよね?」
「そ、そうなんですか?僕知らなかったです!」
「ん?んん?」
「え?ん?」
 二人とも首を傾げてお互いなんだかおかしいなと思い始める。
だが、ユウヤはとりあえず自分はちゃんとこれからヒロのウェディングドレスを見れる機会があるようだという事で心底安心した。
「えーっと……じゃあ、どうしてそんな格好を?」
「……っ!」
「ヒロ君?」
 そう尋ねると、ヒロはまたもや恥ずかしそうに耳まで真っ赤にしてぽつりぽつりと説明し始める。
すると―――
「……あ、あの……ユウヤさんが疲れてるから…」
「うん」
「疲れを吹っ飛ばすのにはこれが一番だろ!ってアスカさん達が……」  
ヒロはそう口にして顔を伏せた。どうやら、またもや女友達にからかわれたようだ。
しかし、疲れた自分を癒す為に恥ずかしいと思いながらそんな恰好をしてくれたヒロに対して更に愛しさを感じる。
 毎日笑ってくれるだけで、ぬくもりを感じるだけで愛しく思うというのに、これ以上好きになってしまったらどうなるのだろうとユウヤは少し怖く思える。
こんなに好きで好きで仕方ないのなら、もうこれは……
「やっぱり、結婚しよう、ヒロ君」
「え、だ、ダメです!せめて学校は卒業してからじゃないと!」
「……法律的には問題ないのに……」
「だ、ダメですっユウヤさんと結婚なんて今したら……嬉しすぎて勉強に手がつかなくなります……」
「……っ!」
 そう恥ずかしそうにヒロは小さな声で口にするが、しっかりとユウヤの耳には届いており、嬉しさの余り心が躍りだす。
同時に卒業したらすぐに結婚しようと心の中で誓いながら、
「じゃあ、仕方ないね」
「わ、わわっ!」
思い切り、ヒロの事を抱きしめる。
「……?」
 すると、エプロンと自分の洋服越しにヒロの豊満な胸の感触を感じた。
少し下に目を向けると白い布に隠れているとはいえ、寒いのか、あるいは羞恥による為か乳首が尖って存在を主張しているのが見えた。
「あ、ゆ、ユウヤさん?」
「ねぇ、ヒロ君」
「は、はい?」
「さっきの質問だけど―――」
「……」
「ヒロ君じゃ駄目かな?」
 そう言われて一瞬、ヒロは何を言われているのかと思ったが、
玄関で言ったあの恥ずかしいセリフの事だと解って、頭から湯気が出そうなほど顔を真っ赤にさせる。
先ほどまでだって耳まで真っ赤にしていたのに、更に顔を真っ赤にさせてしまい、
もう倒れてしまうのではないかと不安になると同時にヒロはかやっぱり可愛いなぁなどと?気にユウヤは思ってしまう。
「う、うぅ……」
「ねぇ、駄目?」
 どうしようかと頭を振りながら恥ずかしそうにするヒロに対して後押しする。すると、ヒロはおずおずと口を開いて、
「い、いえ……どうぞ、た、食べて下さい……」
 などというものだから、ユウヤは許可も得たことだしとヒロの体に手を伸ばした。
「それじゃ―――」
 そう言って、ユウヤはベッドの上で丁寧に合わせた。
「いただきます」
 それから、彼らしくそう口にする。
それに対してヒロは頬を染めて、こんなところも好きだなぁだなんて思っていた。
「ひゃっ!」
 それから、ユウヤはヒロの両脚を開き、もう愛液で濡れている股間を凝視する。
「……っ」
 それから、ゆっくりと太腿を下からなでるように手を滑らせる。
それから、ユウヤの長い指が陰部を縦に何度もなぞり動いた。
「……んっ……あ、あぁ……」
「ヒロ君……」
「んっ、あ、ゆ、ユウヤさ……っ」  ユウヤはヒロの耳に囁くように名前を呼び、それから耳に舌を入れたり、上から耳たぶまでゆっくりと撫でるように舐めまわす。
そのせいで耳元に水音が聞こえてそれが恥ずかしくて顔を逸らしてしまう。
そんな行動が逆にユウヤの手助けになり、剥き出しになった首筋に顔を埋めて、舌を這わせながらユウヤはヒロに愛撫を続けた。
「……あ、ユウヤさ、」
「ん、ヒロ君はどこも甘いね」
「そ、そんなこと言わないで……くだ、あ…っ」
 首筋を舐める大きな舌の暖かな感触にヒロは眉根を寄せた。
だが、本来ならば触れられないような場所を丹念に舐められ、ヒロは不思議な感覚を味わいながら吐息を洩らす。
やがて、首筋から肩、肩から腕、そして、最後には脇を舐められヒロは逃れようと体をくねらせる。
だが、ユウヤから逃れることはできずに汚い場所を舐められて感じている自分を恥じる。
「や、やぁ……そんな、汚いとこ……っ」
「ん、んん……」
 激しい水音を立てて、ユウヤはヒロに愛撫を続けた。
そして、直接的に触れていないのに更に硬くさせている乳首を見て、いかにヒロが感じているのかを察する。
「ヒロ君……」
「うっ……んっ」
「この随分硬くなってる、この尖りは何?」
「あ……っ!」
 そして、いきなり突起を指の腹でゆっくりと円を描くようになぞり、恥ずかしそうにするヒロを見て、ユウヤはいきなり乳首を摘んだ。
「あっ!」
 その瞬間、電撃が走ったかのような感覚がヒロの体を支配する。
「つっ……」
 そして、自分で言えなかったヒロを罰するかのように、ユウヤがフリルのついたエプロンを下にずらした。
すると白い肌にうっすらと桃色に染まった乳首が現れ、ただでさえ豊満な胸をしっかりと主張していた。
「ヒロ君、もしかして……待ってる間、ずっとエッチなこと考えてたの?」
「そ、そんなこと……」
 そう言って、ヒロはユウヤの言葉を否定しようとするが、乳首を摘み転がされて淫らに喘ぎだす。
その上、弄られていなかったもう片方の乳首に吸いつかれて、甘美な疼きが腰に伝わり、更なる欲求が生まれてくる。
なんとか太腿をすり合わせて、何とか耐えようとするが、漏れ出る声は耐えきれない。
「や……あぁ、ゆ、や…さ……あぁ……」
「どうしたの、ヒロ君?」
「やぁ……いじわ、る……」
「言わなきゃ解らないよ?」
 そう言って、綺麗な笑顔で口にしてからユウヤは顔を下にずらして、今度は秘部に顔を埋めた。
「ひゃ、あぁ、ああっ!」
 そして、先ほど触った時よりも蜜が溢れ出てぐっしょりと濡れそぼった股間にそっと息を吹きかける。
それだけで悲鳴をあげるヒロが可愛らしくて、ユウヤはそのまま口をつけ吸いつく。
「あ、あぁああっ!」
 その瞬間、先ほどよりも強い電流を感じ取ったヒロが背中を弓なりにして悲鳴を上げる。だがユウヤがやめる筈もなく、ヒロの蜜壺全体を舐め上げ、次から次へと溢れる蜜をすする。
何とか逃れようとするものの、がっちりと太腿が抱え込まれて、ヒロは逃れることが出来なかった。
結果としてユウヤの暖かな舌が秘部をえぐり、泉の中心へと次第に沈んでいく。
吸われ、舐められ、弄られ、それだけでもつらいというのに更に奥へ奥へと入り込んでくる舌の感覚にヒロはなすすべなく喘ぐしかなかった。
そして、いきなり強く吸われて――
「あっ、ああああああああああっああああああ―――っ!」
 ヒロは我慢できずにそのまま絶頂の快楽を迎えた。
だが、ユウヤはそれでも許さないといわんばかりに、今度はヒロのぷっくりと膨らんだ陰核に舌を合わせた。
強く押しつけ絡み付かせたり、上下左右に転がされる。
そして、またもや強く吸われて、太ももをガクガクと震わせた。
そして、
「―――っ!」
 本日二度目の絶頂を迎えた。その結果、ヒロの瞳は焦点が合わずにただ宙を見つめていた。
 そんなヒロを見降ろして、ユウヤはそそり勃った自分の男根をヒロの秘部へとすり付けた。
「あ、ああ……」
「嫌?欲しくない?」
「ああ……欲しい、欲しいですっ……」
 羞恥も何もなくなったヒロはただ貪欲に、自分の欲望に任せてユウヤに乞う。
その姿がユウヤはとても好きだった。
いつもの明るくてかわいらしいヒロももちろん好きだし、愛している。
だが、こうして自分しか見る事が出来ないみだらな姿を見せるヒロも愛しかった。
「そっか、じゃあ素直になったご褒美にあげるね」
「あ、ああっ!」
 そう言って、ユウヤの先端はゆっくりとヒロの秘部を割って入り、中へと潜り込む。
そして、最奥まで挿入すると太くなった先端で最深部を激しく擦り付ける。
それだけでヒロは体が震えるのが解った。
温かく締め付けてくる膣壁の感覚にユウヤは眉をひそめながらゆっくりと上下に腰を動かす。
「あ……あぁ…」
 その度に声を上げてヒロは体の内側から痺れるような感覚にどうする事も出来ない。
ただ、快楽に流され喘ぐことしか。
「ひゃ、ああ……っ」
尻を抱えられて、力強くゆすりあげるとヒロはもう堪えられなかった。
「ひ……っんんっ!だ、だめぇ……あ、あぁ…っ!」
 突き上げられる度、上下に揺れる肩がふるふると小刻みに震えた。
その度に可愛らしいフリルのエプロンが揺れる。
エプロンからこぼれおちた白い胸を見て、ユウヤは唇でまたもや乳首を摘んだ。
「い、いやぁ……あぁっ!
」 「嫌なの?」
「ん、んん、ダメ……だって、気持ちよすぎて……っああっ!」
 ユウヤの舌が乳首を舐めまわす感触にヒロは震える。
その度に下半身がざわめつき、ドロドロに熱く溶けた体は乳首への舌の責めに淫らにも悦び、咥えこんだ男根を無意識に締め付けた。
「……っん、ヒロく……締めすぎ」
「だ、だって……あぁ……っ!」
 そして、気がつけばヒロも奥へ奥へとユウヤを導くかのように腰を動かしていた。そして、
子宮口に男根がたどり着くと同時に―――


「あ……あぁ……っ!ああああああああああっ!」


 強く締め付けたユウヤの男根が体内でどくどくと痙攣し、熱い欲望が注ぎ込まれる。
そして、快楽の余韻に身を任せて、ヒロはゆっくりとベッドに横たわった。
「……ヒロ君、大丈夫?」
「……んん……」
 そんなヒロを見て、ユウヤが頭をなでながら尋ねると、
けだるい体を起こしてヒロはユウヤの下半身に顔を近づけ、自分を先ほどまで犯していた男根を唇で挟んだ。
「……」
「んん……んっ……んっ……」
 そして、ヒロはユウヤの男根に舌を絡める度にさらに愛しさを増す。
口の中で血管を浮き立たせて脈を打つそれ。自分を気持ちよくさせてくれるそれがとても愛しい。
 ユウヤから与えられるものなら快楽も苦痛も羞恥も何もかも愛しかった。大切に思えた。
「ん……ユウヤさん、好き……大好き……」
「ヒロ君……僕も大好きだよっ」
「ユウヤさん……」
 そう言って、またもや奉仕し始めるヒロに対してユウヤも愛しさを増す。
 本当ならばさっさと結婚して、念願だった自分の本当の家族を手にしたいとユウヤは思っている。
無論、その相手はヒロだ。
結婚した暁には最低でも2人以上子供が欲しいなぁ、だなんてそんなささやかな事を夢見てユウヤは日々努力している。
「……ヒロ君、まだ足りないの?」
「……ふぁ……い、もっともっとユウヤさんが欲しいです…」
 そう尋ねると素直に口にする厭らしい恋人。だが、そんな風に恋人をしたのは自分だ。
 まさに文字通り昼は淑女、夜は娼婦のような女性になった事に心からユウヤは笑みを浮かべて、ヒロをまたもや押し倒す。
「……それじゃあ、たくさんあげるからね?」
「あぁ……嬉しいです……」
 そして、ユウヤはいつかこれが毎日になればいいとなればいいと思いながら、今日も目の前の恋人を愛するのだった。